ベトナム戦争のことは今や過去のことになってしまって、当時のことを話すこともないでしょう。
この映画は、ベトナム戦争からの帰還兵の精神について、直接ではありませんが、示唆しているように思います。
この記事では、タクシードライバーのあらすじ、監督とキャスト、そして、映画に寄せられた評価を紹介しています。
人間の精神が病んでしまう、ということはどういうことか、ぜひ映画を通じて考えて欲しいなと思います。
タクシードライバーのあらすじ
現代社会が生んだ狂人
ニューヨークのとあるタクシー会社に、ベトナムから戻ってきた退役軍人のトラヴィスという男が現れました。
トラヴィスは軍人を退役後新しい仕事を探していた、そしてタクシーの運転手に就いたトラヴィス。
彼は他のドライバーとは違い自分のテリトリーを決めずに、客に頼まれればどこにでも行くようなドライバーでした。
ある日ニューヨークを車に乗りながらドライブしているとトラヴィスの目にひと際美しい女性が目に入りました。
その女性は次期大統領候補パランタイン議員の選挙事務所で仕事をしているベッツィに惹かれます。
後日、トラヴィスは彼女の働いている事務所を訪れます。トラヴィスは選挙運動に参加したいとベッツィに申し入れ、そのついでにデートに誘うことに成功します。
しかしデートの当日、トラヴィスはベッツィを連れて映画を見に行きますが、ポルノ映画に連れていき、彼女を激怒させてしまうのです。
その後トラヴィスはベッツィに話しかけたりするがことごとく無視され続けたトラヴィスは逆上してしまい、直接選挙事務所に向かい彼女を罵ります。
しかしベッチィは相手にしませんでした。そして孤独を感じたトラヴィス何かが弾けたように彼は狂人へと変貌していくのです。
ある日、イーストビレッジで、ポン引きのスポーツに追われる少女売春婦のアイリスが、トラヴィスの車に逃げ込んできました。
しかし、彼は連れ去られるアイリスを虚ろな目で見送るだけでした。
その後トラヴィスは裏のルートを使って拳銃を手に入れる、射撃の訓練を始め、肉体の強化のため筋トレを開始します。
体のために健康な食事をとり、奇妙な笑いを浮かべてると同時に憤怒の恐ろしい表情で瞬時に腰にある拳銃を抜いて不敵に笑い出します。
最後ラストの結末
ある夜、トラヴィスは馴染みの小売り店で強盗に居合わせます。
すると、トラヴィスは、店を襲った黒人の強盗を射殺します。
そして、やがて彼は仕事仲間からキラーと呼ばれるようになっていきます。
ある日、売春婦のアイリスと再会したとき、足を洗うように説得し、どうにか説き伏せます。
しかし、アイリスを金づるにしているスポーツは、足を洗うと言った彼女を引き留めます。
トラヴィスはパランタインの大集会に向かいます。サングラスにモヒカン頭の彼が、拳銃を抜こうとしたときSPに見つかって、逃げます。
その夜、彼はスポーツの売春宿を襲撃して、スポーツや用心棒、アイリスの客を次々と射殺します。
駆けつけた警官の前で、血まみれのトラヴィスは左手の人差し指を自らのこめかみに当てて、銃を撃つ振りを見せて笑います。
これによってアイリスは解放され、新聞はトラヴィスを英雄扱いします。
そして、トラヴィスは何事もなかったかのように、再びタクシードライバーに戻ったのでした。
タクシードライバーの監督
この作品が風刺的なストーリーなわけ
監督はマーティン・スコセッシ監督です。
彼はイタリアに移民としてやってきました。
彼の住む地域ではマフィアが社会を支配していたためか彼の作った作品は、社会に対する風刺的なストーリーや、暴力的な描写などが多く描かれています。
また彼は原作遠藤周作のー沈黙ーサイレンスーの監督をしたり日本映画に感銘を受ける等、彼は少なくとも日本映画、文化に影響を受けている一人です。
タクシードライバーのキャスト
あのロバートデニーロ主演
主演のトラヴィス役ロバート・デニーロはマーティン・スコセッシの映画に多数出演しています。
ロバートデニーロの名前を聞いたことのある方は多いんじゃないでしょうか。
アメリカ出身の俳優です。
また彼はストイックな性格で作品に出演する前は絶対に体作りをするなどで有名です。
またマーティン監督のキングオブコメディという作品に出演したロバートはコメディアンを目指す青年として出演しています。
近年公開されたジョーカーという作品ではコメディアンとしてではなくコメディ番組の司会者として出るなどといまでも大活躍中の大物俳優です。
Amazonプライム無料お試し登録タクシードライバーの評価
現代社会の闇
この作品は人によってまったく評価も違う作品です。
ニューヨークで軍を退役後、タクシードライバーとしてニューヨークの夜の町を走るトラヴィス。
孤独になったトラヴィスは腐敗した社会に怒り、悲しみを覚え彼はゆっくりと狂人と化していき殺人など荒らしく激しくも、どこか悲しい物語です。
トラヴィスは確かに殺人など狂気に満ちたような行動を繰り返し、擁護しようもないですが、彼をそうさせたのは社会なのではないか、腐りきった社会が一人の男を狂わせていったなどの意見もあります。とてもよく考えさせられる映画です。
また彼はベトナム戦争の退役軍人です。話によると実際ベトナム戦争から帰ってきた幾人かの軍人は精神的におかしくなっていた人もいたということです。
