映画「グラン・トリノ」は人種に壁はないということを教えてくれる映画です。
グラントリノとはアメリカの車で1972年代から1976年まで製造されていた、主人公の愛車のことです。
そして、アジア人の移民の少年とアメリカ人の妻を亡くした頑固な老人の友情の物語です。
この記事では、映画のあらすじと見どころとしてクリント・イーストウッドが演じる、ウォルトの素晴らしさを紹介しています。
名演、これに尽きるかもしれません。ぜひご覧ください。
グラントリノのあらすじ
アメリカに増えてき始めたアジア人
主人公はポーランド系アメリカ人のウォルト・コワルスキーもともと自動車工場で50年働いていて退職し、妻には先立たれた孤独の男です。
彼の性格は頑固で少し偏屈な性格いかにも扱いにくい老人でした。
葬式では参列にきた、親戚や参列者を何かと文句をつけて罵ったりするなどしました。
息子や他の親戚もウォルトに対して嫌気がさしていました。
彼の今の好きなことと言えば、ポーチに座り缶のビールを飲むということくらいしかありませんでした。
またウォルトの住むデトロイトには今は沢山のアジア人が住んでいたり、日本車が走っていたりしていたためこの状況にウォルトは嫌気がさしていました。
その頃ウォルトの近所に中国系移民のタオという学校にも行かない不登校の少年が住んでいました。
タオの従兄のスパイダーはギャングでした、そしてタオに近所のウォルトが大事にしているグラントリノという車を盗んで来いと命令します。
気弱なタオは抵抗もできず、仕方なくその命令に従います。グラントリノはウォルトの働いていた自動車工場のフォード社製でいつも眺めていました。
真夜中タオはウォルトのガレージに忍び込みグラントリノを盗もうとするとウォルトが銃口をタオに向けました。
銃口を向けられたタオはすぐさま逃げます。外にいたスパイダー達もそれを見て一緒に逃げ出します。
その後、タオの家族が自分の息子を助けてくれたお礼ということで、沢山の料理を持ってきます。
それを受け取りますが、たまたまタオを助けたウォルトにとっては少し鬱陶しく感じることでした。
あくる日、ウォルトは街でタオの姉であるスーを見かけます。スーは不良グループに絡まれていました。
そこをウォルトは不良を追い払い、車で家まで送って上げます。
スーは助けてもらったお礼にウォルトをホームパーティーに招待します。
タオの家族はウォルトを歓迎し、ウォルトはタオ家族の自分に対しての暖かさに感動します。
最後ラストの結末
タオの母とスーはタオがウォルトの愛車を盗み出そうとしたことを知って、謝罪に来ました。
そしてその償いのためにタオに働かせるというのです。
タオは素直にウォルトの指示に従い、真面目に真摯に仕事をしました。
そして、成長していくタオの姿を見ていくうちに、ウォルトは偏見を持っていたことを知ります。
タオも、ウォルトが良い父親代わりのモデルとなっていったのです。
ウォルトは近所のアジア系の一家との交流を深めていき、タオも仕事を通して、生き生きと成長していきます。
そこで、ウォルトは、友人が責任者をしている建築現場での仕事をタオに世話しました。
ある日、タオの従兄の不良たちが彼を襲い、タオ一家をマシンガンで襲撃し、スーを拉致して乱暴を加えたのです。
タオは復讐しようと躍起になっていたのですが、病にかかって、老い先短いことを自覚していたウォルトは、身辺整理をすると、タオを家に閉じ込めます。
そして、決着をつけるために、独りギャングたちの住処へ向かいます。
ギャングたちの住処に着いたウォルトは、タバコをくわえ、上着のポケットに手を入れます。
それをギャングたちは銃を取り出すと思い、ウォルトを銃撃したのです。
ウォルトはそこで静かに息絶え、急いで現場に着いたタオは、シートにくるまれて運ばれていくウォルトの遺体を見ます。
ウォルトは何の武器も持たず、そこで射殺されたというのです。
ウォルトの上着のポケットにあったのは、彼が愛用していた第一騎兵師団のジッポーライターだったのです。
目撃証言もあって、ギャングたちは逮捕されました。
これはウォルトの作戦で、彼の人生の決着のつけ方だったのです。
タオの将来を案じて、ウォルトは自らの命を引き換えにしたのです。
ウォルトの遺書には「愛車グラン・トリノを我が友・タオに贈る」と記されていました。
そして、ウォルトとの思い出と、彼から学んだ生き方を胸に、タオはグラン・トリノで海岸線を走っていくのでした。
グラン・トリノの評価と感想
俳優、監督ともにひかるクリント・イーストウッド
評価の比較的高い映画となっています、人種をテーマとした映画です。
クリント・イーストウッドのウォルトの役の演技が光る作品になっています。
ストーリーのテンポもスムーズに進んでいき、ストーリーがわかりやすくて良いと思います。
友情に年齢は関係ないと思わせてくれ感動と友情のある映画でした。
人種に壁はない、現代までの解決しない根強く残る人種差別の問題が改めて気づかされる作品です。
この映画のなかで、朝鮮戦争に参加して、退役したアメリカ人ウォルトの家にはアメリカ国旗をでかでかと掲揚しています。
それを近年増えていたアジア人が嫌気がさすという描写が描かれています。
しかし、近所の中国系移民のタオとウォルトがだんだんと友情を深めていく、ストーリーは人種に壁はないと教えてくれる作品になっています。
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最後に流れる音楽も渋い
監督は主演のウォルト役兼監督のクリント・イーストウッドです。
アメリカ出身の映画監督、俳優、政治活動家です。
グランド・トリノ出演以降は俳優の仕事は探さないといい、以降の俳優としての出演の作品は少ないです。
荒野の用心棒という黒澤明監督の用心棒という映画を元に作った有名な映画に出演する、日本政府から旭日章を受け取っているなど日本とも関わりのある人です。
クリント・イーストウッドはこの作品で有名な俳優を使うのを嫌がり、タオ役のビー・ヴァンはこの作品に出演するまで演技の経験はありませんでした。
またクリントの息子も脇役で出演していたりとキャストに面白味があり新鮮です。
この作品の主題歌はGran Torino End Theme high definitionという曲で最後に流れます。
映画の最後の余韻を楽しませてくれる曲となっており、とてもいい最後となっています。