映画『ニュー・シネマ・パラダイス』は、成功している中年の映画監督が、映画が大好きだった少年時代や青年時代の恋愛を回想している作品です。
1988年に公開されたイタリア映画で、監督はジュゼッペ・トルナトーレ、音楽を担当したエンニオ・モリコーネでも評判になりました。
世界中で高く評価され、しばらく停滞していたイタリア映画の復活を感じさせたと思います。ヒューマン・ドラマだけではなく、映画の歴史がよく分かる作品でもありますね。
この記事では、映画のあらすじとキャスト、音楽について紹介しています。
ヒューマンドラマとはこういうものなんだ、と心の奥深くまで染み渡る名作だと思います。
映画ニュー・シネマ・パラダイスのあらすじ
少年と老人の思い出
映画監督のサルヴァトーレは、子どもの頃お世話になっていた映写技師のアルフレードという老人が死んだという訃報を母から受け、30年振りに故郷のシチリアに帰郷しました。
少年の頃、サルヴァトーレは町の映画館に行くのが好きでした。
そこの映写技師であるアルフレードと、いつも仲良くお喋りをしていました。
アルフレードに映写機の扱い方を教えてもらい、青年になると映写技師の仕事をアルフレードの代わりに務めていました。
その頃、サルヴァトーレは学校に入学してきた美少女に恋をするのですが、アルフレードには難しそうだから止めておけと言われてしまいます。
ですがサルヴァトーレは諦められず追いかけ、なんとか付き合うことになったのですが、後に音信不通になってしまいます。
本作品の完全版では、実はアルフレードがサルヴァトーレが夢を叶えるために、別れてくれと彼女に伝えていたという話が入っています。
ニュー・シネマ・パラダイスのキャスト
可愛らしい少年
少年時代のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ役を演じたのは、サルヴァトーレ・カシオです。
1979年11月8日 生まれ(40歳)で、シチリア島・パラッツォ・アドリアーノで生まれました。
イタリアの元・子役俳優で、愛称は“トト”でした。本作品の出演にて、世界中から高い評価を得ました。
現在は芸能界を引退し、旅館の経営をしているそうです。当時の可愛らしい姿からは想像できないですね。
実力派の俳優
映写技師のアルフレード役を演じたのは、フィリップ・ノワレです。フランス出身、1930年10月1日生まれで、2006年11月23日にお亡くなりになられました。76歳でした。
主な出演作品は、『追想』『ニュー・シネマ・パラダイス』『イル・ポスティーノ』です。中でも彼の代表的な出演作は、やはり本作品でした。
父親は洋服会社の重役で子供時代はブローニュ、モロッコなどで育てられました。大学時代に演劇に魅了され、卒業後はロジェ・ブランを師事していました。
その後51年から、国立民衆劇場の舞台で活躍しました。
映画へは49年に初出演を果たし、以降は主にコメディ作品で活躍することになります。
音楽と作曲者
有名な主題歌
映画で流れている主題歌は、エンニオ・モリコーネの『Cinema Paradiso』です。各国のさまざまな企業のCMに使われ、テレビ番組でも頻繁に使用されています。
イタリアの街の雰囲気にピッタリな、優雅で素敵な曲ですね。
イタリアのジャズ・トランペット奏者ファブリッツィオ・ボッソのアルバム『Nuovo Cinema Paradiso』
クリス・ボッティのアルバム『When I Fall in Love』などのミュージシャンがカバーしています。
日本では、大賀好修がB’zの松本孝弘のソロ・ワークス『Theatre of Strings』でカバーしています。