映画「十二人の怒れる男」原名は12angry menです。
1954年にアメリカのテレビドラマで放送されてその後リメイクとして1957年に映画として制作されました。
この映画はひたすら会議室で討論するといういわゆる密室劇といわれる類の映画です。脚本が面白ければ場所など関係ないという当時あった説を証明したと言われています。
全てが見どころとも言える見事な作品で、学ぶことも多いと思います。
この記事はあらすじと12人の陪審員を演じた俳優を紹介しています。
自分もその一人になったつもりでぜひご覧ください。
十二人の怒れる男のあらすじ
一人の無罪という主張
ある18歳の少年が父親を殺したために裁判で起訴されていました。
ハッキリと彼が犯人であることがわかるごく簡単な裁判だったために、この事件の審査に関わる陪審員達の一人をのぞき、みんなが有罪で合意します。
しかし、一人の陪審員のヘンリーという男がこの有罪にする根拠は偏見と先入観だらけだと指摘し始めます。
そして、冷房のない蒸し暑い会議室で12の男達が話し合いを始めます。
この少年の判決は12人の判決が全て一致していなければなりません
そのため11人の有罪判決を主張する者と1人の無罪かもしれないと11人を説得しようとする男の熱い議論が始まります。
もっと議論を交していくと無罪の可能性が少しずつ上がっていきます。
最後ラストの結末
事件の夜、階下で暮らす老人が、殺してやるという少年の声と人が倒れる音を聞いた後、階段を駆け下りる少年を目撃したと証言していました。
さらに、向かいの建物に暮らす中年女性も通過する電車越しに少年の犯行を目撃して、警察に通報していました。
8番はこの2人の証人の証言を間違えている可能性があると考え、陪審員9番が無罪に意見を変えました。
電車が通過している騒音の中で、階下の老人が少年の声や人が倒れる音を聞くことが可能かということの疑問から9番は老人が注目されたくて虚偽の証言をしたのではないかと推測します。
そして、その証言に矛盾があると見抜き、無罪派が6名にまで増えました。
そして、最初は深く考えようとしていなかった他の陪審員たちも次々と検察側の主張に疑問を持ち始め、その主張を覆していきます。
これで9名が無罪派になり、有罪を主張しているのは3人だけになります。
女性の鼻にあったメガネの跡から、夜間、近視の人がメガネをかけずに、電車越しに向かいの建物の人物を識別することは不可能だと指摘し、さらに無罪派が増えます。
さらにもう一人も自分の偏見を恥じ、無罪を認めます。
最後に残った一人は、自分の息子への不満を少年に重ねていたことを認め、息子の写真を破いて泣き崩れます。
評決は全員一致で無罪となり、12人の男たちはそれぞれの日常へと帰っていくのでした。
十二人の怒れる男のキャスト
古き映画スター達
この映画に出てくる役はみんな陪審員+番号で出てきます。
陪審員1番:マーティン・バルサム
アメリカ出身の俳優です。太陽の天使という作品でアカデミー賞受賞
陪審員2番:ジョン・フィードラー
アメリカ出身の俳優です。この作品では怖がりの臆病なキャラを演じました。
陪審員3番:リー・J・コップ
アメリカ出身の俳優です。日本の黒澤明監督の羅生門を激賞していて、晩年はエクソシストというホラー映画に出ていました。
陪審員4番:E・G・マーシャル
アメリカ出身の派俳優です。ドラマで主演男優賞を受賞しています。
陪審員5番:ジャック・クラグマン
アメリカ出身の俳優です。この作品が映画の初めての出演でした。
陪審員6番:エドワード・ビンズ
アメリカ出身の俳優です。
陪審員7番:ジャック・ウォーデン
アメリカ出身の俳優です。フランダースの犬など沢山の映画に出演していました。
陪審員8番:ヘンリー・フォンダン
この作品で一人だけ異議を申し立てた8番です。アメリカ出身の俳優です。戦時中、戦後共に映画界で活躍した方です。
陪審員9番:ジョセフ・スィーニー
アメリカ出身の俳優です。この作品以降は目立った活躍は見られません。
陪審員10番:エド・べグリー
アメリカ出身の俳優です。エミー賞、男優賞など沢山の賞を総なめしています。
陪審員11番:ジョージ・ヴォスコヴェック
アメリカ出身の俳優です。脚本家や演劇家でもありました。元々はチェコ出身です。
陪審員12番:ロバート・ウェッバー
アメリカ出身の俳優です。C.I.Aなどの有名な映画にも出演していました。
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元祖の密室劇
見どころとしましては12人の議論し合うシーンでしょうか。
まあほとんどが議論のシーンなのでこの映画ほとんどが見どころといったところでしょうか。
議論しあう中でこの陪審制の欠点が見えてきたり、また良い長所の部分も見えてきたりします。
また少年の判決が有罪になれば死刑は確定するので、疑っていなかったほかの陪審員も無罪の可能性が少し出てくると判決を慎重になる部分などが緊張感が伝わってきてとても面白く見どころのある部分です。
十二人の怒れる男の評価と感想
人の内面というもの
陪審員というのを使ってうまく人の内の部分を描いた作品になっています。
人間は親の教育や環境で子供の時に思考の80パーセントはできます。
常識というやつですよね。当たり前だと思って疑わなかったものがいきなり違うんだと言われてしまうと人間は反抗したくなってしまいます。
そうやってうまいように表現された素晴らしい作品でした。
かなり昔の映画ですが今でも有名な作品ですので機会がある方はぜひ見てみてください。