「愛のむきだし」は独特の世界園子温監督作品、2009年に公開された日本映画です。
第59回ベルリン映画祭にて国際批評家連盟賞とカリガリ賞受賞しています。
キャスト全員が、親からの愛情が足りずに、どこか病んで育っています。そこに暴力、宗教、犯罪、そして青春が入り交じった純愛映画なんですね。
実は、この映画は4時間もの大作で、西島隆弘演の女装姿、満島ひかりの体をはった戦いの全力シーン、安藤サクラの怪しさなど印象に残りました。
この記事では、映画のあらすじ、そして、心に残る結末、キャストと主題歌、ロケ地などを紹介しています。
確かに長いですが、それを補って余りある、物語の展開と、素晴らしいラストが見事な作品だと思います。

愛のむきだしのあらすじと結末
出会い
ユウの母は敬虔なクリスチャンで、いつも祈りを捧げていました。
ユウが小学生の時に母は亡くなりますが、「マリア様のような女性を見つけなさい。」という言葉を胸に教会で、父テツと2人で暮らしていました。
後に父もまたクリスチャンとなるが、カオリという女性と知り合い恋に落ち出て行ってしまいました。
しかしその後、カオリが自分の元を去るとテツは協会に戻り、ユウに懺悔を求めるようになります。
父が好きなユウは罪を作るために盗撮を行うようになり、プロ顔負けに上達します。しかし父に「変態だ」と怒られますが、そこに愛を感じました。
ある日、友人との賭けに負けたユウは罰ゲームとして女装し、自らサソリと名乗ります。
町へ出かけたユウは、女子高生ヨーコが次々と不良を倒していくのを目の当たりにし、お互いに恋に落ちます。
そして父は戻ってきたカオリと結婚すると宣言します。
そして一緒に連れてきた娘は、ヨーコだったのです。
しかし女装姿のユウであるサソリを好きになったヨーコは、ユウの正体に気づかす冷たい態度をとります。
全力の愛
その頃、新興宗教ゼロの側近であるコイケがユウと家族に接近します。
コイケは自分がサソリだとヨーコに嘘をつき家族もろとも洗脳してしまいます。
ユウはヨーコに自分がサソリだと伝えますが、盗撮を知られ信用を失い家を出ていきます。
その後ユウは洗脳されてゼロの元にいる家族とヨーコを救うべく、本部に潜入します。
しかし深い洗脳を解くことが出来ず捕まってしまうのでした。錯乱したユウがゼロ本部を爆破したため捜査が入り、ゼロは解体されるのでした。
精神病院に入院したユウの元へヨーコがおとずれます。
ユウであった頃の記憶をなくし、サソリの姿で生活を送る様子に、ヨーコは涙を流すのでした。
ヨーコは記憶を呼び起こそうとユウに話しかけますが警察に止められて暴れます。
パトカーで連行されようとした時、記憶を取り戻したユウはヨーコを追いかけます。
パトカーのガラス窓を割り、手と手を繋ぎ合う2人でした。

愛のむきだしのキャストと主題歌
キャスト
本田悠(ユウ):西島隆弘
父の歪んだ愛のもとで育つ。
尾沢洋子(ヨーコ):満島ひかり
幼少期の父の虐待により破壊願望のある女子高生。
コイケ:安藤サクラ
ヨーコや家族に近づく、宗教団体ゼロの側近。
本田テツ(渡部篤郎)
ユウの父。歪んだ愛でユウを育てる。
カオリ(渡辺真起子)
自由奔放な女性。テツの再婚相手。
愛のむきだしの主題歌
主題歌は、ゆらゆら帝国の『空洞です』
11番目のアルバムとして2007年にリリーズされました。
観を持つバンドで、曲のジャンルはサイケデリックロックです。アルバム全体的に曲調は淡々としているが、徐々にフロー状態になるような心地よさを感じます。
2010年3月にバンドの解散を発表しています。
Amazonプライム無料お試し登録愛のむきだしのロケ地
近場低予算ロケ
もともと低予算で制作予定だったため、主なロケ地は、東京、神奈川、静岡と近場が多くみられます。
ユウとヨーコが初めて出会うシーンは品川の大森商店街アーケードを抜けた広場、住んでいた協会や盗撮を行った公園は茅ケ崎です。
ユウがヨーコを助けるべく連れ出され、聖書を絶叫するシーンは名場面ですが、初めの予定では山で行われるところを急遽海にしたことにより、趣のあるシーンが撮れたのだと言われています。




